【プロフィール:ミシャ・アロベリゼさん】1989年、オズレゲティ生まれ。トビリシにて演技・演出学部を専攻。本職は俳優で長年様々な分野のローカルプロジェクトおよび共同制作プロジェクトへの参画。新しいことの始まりを決意し、2010年からの世界一周ヒッチハイクの旅をし、南米、ヨーロッパ、アジアの国々を訪れる。南米のみでヒッチハイク移動距離5,000キロメートル以上。2018年、アルゼンチンからジョージアへの移動中、カタール・ドーハ空港にて日本の女優・バレリーナ、千加さんと出会う。その後、ジョージアへの滞在と活動開始の決断。現在、西ジョージア、特にグリア地方ヴァキジヴァリ村にて、文化的な集いの場「CHAMO」を共同運営。
【プロフィール:大木 千加さん】女優、ダンサー。グリア地方ヴァキジヴァリ村にある文化スペース「CHAMO」の共同創設者。幼少期からのバレエ、ミュージカル、ボーカルの習得。大学では紛争・戦争後の平和構築プロセスにおける芸術の利用を研究。2018年、レゾ・ガブリアゼのマリオネット劇場に魅了され、ジョージアへの移住を決意。現地文化・伝統の学習と並行し、2022年にトビリシのムーブメントシアターに参加、2024年まで公演に出演。その他、様々な撮影および演劇プロジェクトに参画中。2019年、夫ミシャさんとともにヴァキジヴァリにてCHAMOを設立。「CHAMO」のコンセプトは、訪問者すべてに豊かで多様な感情を体験する機会の提供で、自然の中で文化・芸術活動を楽しめる空間としてのCHAMOを発展させることを目指す。現在の目標は、「CHAMO」で様々なジャンルのアーティストが協力できる場の創出と、地元住民への作品とのふれあいの提供。


1.(千加さん)ジョージアとの最初の接点は何でしたか?
少し恥ずかしいのですが、正直にお話すると、2014年のソチオリンピックまではジョージアについて全く知りませんでした。テレビでオリンピックの開会式を見ていたとき、ジョージアの選手団が登場しました。彼らが旗を持っていて、「これはどこの国の旗だろう?」と思ったのが、ジョージアという国の存在を初めて知った瞬間でした。
その後、YouTubeでレゾ・ガブリアゼの「ラモーナ」を見ました。とても短い、1分ほどの映像でしたが、人形の動きや舞台美術、特殊効果、音楽に強く惹かれ、「この舞台をぜひ生で見たい」と思い、2018年に初めてジョージアを訪れました。
最初の滞在は2週間だけでしたが、その間に現地の方々がとても温かく迎えてくださり、文化や伝統を心から分かち合ってくれました。この経験を通じて「もっと深くジョージアを知りたい、ジョージア語を学びたい」と思うようになり、最終的にここに残ることを決めました。結婚もして、もう8年間ジョージアで暮らしています。
2.(ミシャさん)現在、千加さんと一緒にジョージアでどのような活動をされていますか?
私たちはグリア地方のヴァキジヴァリ村、バフマロ山のふもとで「CHAMO」という文化交流拠点を運営しています。ここではキャンプやグランピングだけでなく、さまざまな活動を行っています。社会的・教育的なイベントも企画しており、最近のプロジェクトでは「荷車図書館」を実施しました。本を集め(多くは寄贈いただいたものです)、地方や村で読書や議論の場を提供する取り組みです。訪れる人は無料で学ぶこともできます。
この「CHAMO」での活動はセラピー的な側面もあり、私たち自身にとって身近なものを形にしています。例えば、現在「マンカナハウス」という小型バスを改装した宿泊施設を完成させようとしています。私はブラジルで8年間ヒッチハイク旅行をしていた際にこうしたバスで暮らしていた経験があり、それを再現する形です。ここでは快適で安全な滞在環境を整えています。
また、庭園も整備しており、観賞用や果樹園があります。日本から持ち込んだ珍しい植物も育てています。「CHAMO」は都会の忙しさやストレスから離れ、自然の中で静けさと調和を楽しめる場所です。



3.(千加さん)日本とジョージアの共通点と相違点について教えてください。
まず、気候がとても似ていると感じます。そのため自然が美しく、四季があり、季節ごとの自然への愛着も共通していると思います。文学や日常生活でも季節に関する細やかな表現が多く、料理でも旬の食材を活かす文化があります。また、両国とも「おもてなし」が大切で、人を理解し、観察し、感じ取る姿勢が似ていると思います。特に友人と芥川龍之介や安部公房について語るときに強く感じます。さらに、伝統や文化を重んじる点、友人同士のユーモアのやり取りなども共通しています。
一方で違いも多いです。例えば、ジョージアでは家族や友人との関係がより密接で、私はそれをとても心地よく感じています。もう一つ大きな違いは…ジョージアの人々は車の運転が少し速くて大胆です!
4.(ミシャさん)日本とジョージアの共通点と相違点についてどう思われますか?
私はあまり多くの共通点を見いだせませんが、いくつかの価値観は似ていると思います。例えば、おもてなしの文化、伝統や文化を尊重する姿勢、そして美味しい料理です。自然環境についても、両国とも温帯に位置しており、美しい景観や植物の多様性が似ています。
しかし、違いは非常に多いです。例えば、日本には多くの「暗黙のルール」があり、社会で大きな意味を持っています。日本人は当然知っていますが、外国人は気づかず、気にしないことも多いです。ジョージアはその点とてもシンプルです。また、日本は私が訪れた国の中で最も秩序が整った国です。ジョージアは逆にとてもカオス的で、それが多くの場合は負の側面を生みますが、まれに秩序よりも良い結果をもたらすこともあります。
5.(お二人)今後、日本とジョージアの間でどのような活動を計画されていますか?
理想的に言えば、日本で発展している分野を少しずつジョージアにも導入したいと思っています。ただし、それは長い時間を要するプロセスです。現実的な計画としては、「CHAMO」の建設を終えた後、アーティストが集える場を作りたいと考えています。そこに日本(そして他国)の芸術家を招き、一定期間ここで創作活動をしていただき、地元の若者も参加できるようにしたいです。大きな学びの機会になると信じています。
CHAMO Instagramアカウント — Chamo • ჩამო (@chamocamp)


