【プロフィール】
専門職大学院で日本語教育を修了。アメリカと中国、日本の大学で日本語を教えた後、2023年から2025年までイリア国立大学に派遣される。
――ジョージアに来るきっかけはなんですか?また、ジョージアに来たときの初めての印象はなんでしたか?
内田梨沙さん:
ジョージアに来る前から日本語教育を仕事にしていました。米国や中国で日本語を教えた後、日本の大学で5年ほど日本語教育の仕事をしていました。その時、周りの日本語教師の方々が青年海外協力隊として海外で日本語ネイティブ教師の活動をされていたのですが、私も経験を積みたいと思いました。様々な国が活動地候補としてありましたが、その中でジョージアという国に興味を持ちました。ジョージアという国について知らなかったのですが、逆に、何も分からない国・機会がなければ行かないような国だからこそ、ぜひ行って日本語教育を行いたいと思ったのがきっかけです。
インターネットでもあまり多くの情報がないジョージアですが、ジョージアに到着したとき、とても綺麗な国だなと思いました。活動場所となる大学はジョージアの首都トビリシの中心に位置しているのですが、立派な建築物が周辺に多くあり、感銘を受けました。
――イリア国立大学での日本語ネイティブ教師としてどのような活動をされていましたか?
内田梨沙さん:
日本語ネイティブ教師として活動をしていたイリア国立大学の日本語コースは比較的新しく、日本語を勉強する学生も初級レベルと中級レベルの2つのレベルだけでした。コミュニケーションを含めた日本語授業や日本文化の授業などを行いました。他にも時期によってはJLPT(日本語能力試験)の対策の授業なども行いました。
学生の数は多くありませんでしたが、学生の中には授業の外で自習を続けて、数年の学習歴なのに高い日本語レベルを持つ学生もいました。
――内田さんは他の国でも日本語を教えられていました。ジョージアと他の国での日本語教育において何か違いはありましたか?
内田梨沙さん:
ジョージア以外に、今まで米国・中国・日本で日本語を教えてきました。大きな違いは日本語を教える日本人ネイティブの先生の数です。
国や教える大学によって日本語教育も異なります。例えば米国では英語の第二言語習得が盛んなので、そのアプローチを日本語に応用したものが多かったです。また、中国でも日本語を教える先生や学生が多いだけでなく、中国語話者にとって日本語の漢字の学習は比較的簡単なので、漢字の学習スピードが速いなどの違いがありました。日本で教えていた大学では、大学が独自で作成した教材などもありました。
そうした中で、ジョージアではネイティブとして日本語を教える日本人はほとんどいません。ジョージア人の先生がジョージア語で日本語を教えるというのが主でもありました。それでも、ジョージアでは日本語を教える大学がいくつかあり、それぞれの大学にて日本語が堪能な先生方が一生懸命に日本語教育を行われていることはとても心強いものでした。
――2年間ジョージアにて日本語を教えられた中で心に残っているエピソードはありますか?
内田梨沙さん:
やはり心に残っているのは、ジョージアの人々の日本に対する思いだと思います。日本ではジョージアに関してあまり情報がありません。他方で、ジョージアでは、本当に多くの人が日本の文化や歴史、日本人の価値観や考え方に関心を持たれています。また、日本語学習に意欲も高いです。大学だけでなく、語学学校でも日本語が教えられていることには驚きました。
――ジョージアで日本語教育がさらに広まるために必要なことはなんでしょうか?
内田梨沙さん:
日本人が少ない中で、ジョージアの日本語教育はジョージア人の先生方によって支えられています。ですので、日本人がジョージアの日本語教育をサポートする機会がより増えればさらに良くなると思います。
また、日本人とジョージア人の交流が増えることも大切と思います。日本ではジョージアに関してまだまだ知られていません。また、ジョージアでも日本に関心を持ち、とても良く思ってくれている方が多いのですが、日本にもマイナスな部分があることも確かです。本当の日本の姿を知るためにも、日本に多くのジョージア人が来て、自分の目で日本を見て頂ければと思います。留学の機会なども増えればと思います。実際にその国に行き人の交流が増えれば言葉を学ぶ意欲もさらに生まれるのではと思います。