【プロフィール】
現在71歳。電機メーカーSHARPに39年間勤務。入社以来、退社まで海外事業畑。海外勤務15年（サウジ、インド、フィリピン）その後、中小企業に頼まれて、フィリピン工場立上げに従事。その後JICAシニアボランティアとしてウズベキスタンで大学講師（ビジネス、経営の教鞭）、その後JICAジョージアにて日本とジョージアのビジネス構築、交流に従事。
①ジョージアにいらっしゃるきっかけはなんですか？
JICAウズベキスタンでの大学勤務の後、JICAがジョージアでの日本とジョージアのビジネス構築の応募しているのを見て、自分の40年以上の海外ビジネス経験が生かせる、と思い応募。
②ジョージア・マーケットに関して、伊達さんの今までのご経歴も含めたご知見を教えて頂けませんか？
ジョージアマーケットについて；
A市場規模；海外からジョージアへ進出した企業の中には『ジョージアの市場だけを見ない、コーカサス、中央アジアまで商圏を見据えて進出している』企業もある。たとえば、中央アジア、コーカサス地域全体の地政学上の要衝が、ジョージアのポチ港。ポチ港を起点に遥か彼方のキルギス、カザフスタンまでの広大な中古車市場の風景が見えます。それは目立たないけど、ジョージアの一大産業になってます。そこがどんな市場か？は、来て見ないと分からないです。
Bジョージア市場だけで勝負し成功している進出企業の特徴は“先手必勝“。私が調査した外資系企業は２０15年前後にジョージアに進出。その時期に進出した理由は２つ。一つはジョージア市場は小さいが、或いは小さいので当時は進出企業も少なかった。よって競争が、他の国より緩やか。だから先手必勝。更には、今もそうですが、EU加盟前。だから進出した。EUに入ってしまうと、EU CODEが適用され、色々規制が多く無駄なコストアップ要因が多く発生するから。これも先手必勝。
③日本とジョージアの経済・ビジネス関係の現状について教えていただけませんか？また関係が強化されるためにどのようなものが必要でしょうか？
私自身の力不足もあり、日本中の企業がジョージアに注目している、と言う訳ではありませんし、ビジネスに取り組んでいると言う訳でもありませんが、日本ジョージア商工会議所（前ジョージア大使の上原氏が理事長）の活動のお陰もあり、human networkを中心に、徐々にビジネスが活発に。もはやSNS,ZOOM,電子メールの時代ではありますが、やはり商売の基本はFACE TO FACEの人間関係。最初からジョージアのビジネス目的で来る理由を探すのは難しいので、欧州ビジネストリップの帰り、トルコビジネストリップの帰り、中東ビジネストリップの帰りに、立ち寄ってみる、そこからナラティブが始まるように思います。
④ジョージアには日本文化に関心を持ち、日本語を学習される学生が大勢いらっしゃいます。このような方々がジョージアと日本の間で日本語を生かして仕事ができるようになるには、学生自身どのようなことを行う必要があると思いますか？
まず日本語を学んで頂いた事、日本文化に興味を持って頂いた事に感謝します。多分多くの方がアニメで日本と日本語に興味を持たれたと思います。しかし、日本語を生かして仕事をする、或いは日本企業で働く場合は、違う日本語、違う態度や立ち振る舞いが要求されます。ある程度日本語が理解出来るようになったら、企業や組織を扱った日本のテレビドラマ
を観る事をお勧めします。たとえば、半沢直樹、下町ロケットなど。私のウズベキスタンの或る学生がすっかり半沢直樹にハマってしまい、今はウズベキスタンのトップの銀行に勤務しています。 方向性は日本アニメと同じ。 企業の為にみんなでTeamworkしながら目的を達成して行く。。。。。このようなドラマで社会での日本語で立ち振る舞いも学ぶ事が出来ると思います。
⑤ジョージアに進出を考える日本企業へメッセージはありますか？
進出するかどうか、は企業が決める事,私にコメントは出来ません。でも進出する、と決めたら、自分の経験から助言出来ます。それは。。。。。進出する、と決定したら、あとは迷わず、前に進めること。最初の難関やトラブルはすぐやってきます、それは私が保証します。それは難しそうに見えますが、突き詰めると、人間同士の話(物理の話じゃない)だから必ず乗り越えられます。乗り越える事が会社と個人の成長につながる。名言があります。『正しい選択をする事より一旦決めた選択をどう正解にするか？が大事。』それが正しい選択かどうか、なんて誰も保障出来ませんから。
⑥今後日本とジョージアの間でどのような活動を続けられる予定ですか？
今7１歳ですから、時間的にも体力的にも出来る事は限られます。それでもジョージアで会った方々、または日本ジョージア商工会議所の方々のお役に立てたら、と思います。
