テオナ・ナツヴィシヴィリさん ― 日本と日本文化の普及が今も私の大切な活動―

 【プロフィール】

日本学研究者、ジャーナリスト。在ジョージア日本大使館の職員として2009年から2025年まで勤務(広報文化や大使秘書など)児童書『さくら』の著者。現在は博士研究プロジェクト「ジョージア―日本のクロスカルチュラルな関係―ジョージアの印刷メディアにおける表象」に取り組んでいる。配偶者と二人の子どもがいる。

1.これまで日本とジョージアの間でどのような活動をされてきましたか?

2008年にジョージアに日本大使館が設立された際、チームの一員となり、それ以来16年間大使館職員として勤務しました。数多くのプロジェクトに参加し、その年月を通じて私の使命はジョージアと日本の関係を近づけることだと考えてきました。両国の外交関係は33年の歴史を持ちますが、2007年に日本にて在日本ジョージア大使館が開設され、2009年にジョージアにて在ジョージア日本大使館が設立されて以来、二国間関係は大きく深まりました。今日では多くの分野で交流が広がり、様々な職業や活動に携わる人々の参加と相互関心が増しています。私は長年このプロセスの一員であったことを誇りに思います。大使館での勤務を通じて大きな経験を得ました。共に働いた歴代の大使には常に感謝しており、多くのことを学ばせていただきました。大使らの存在もあり、私の日本への感動は決して薄れることがありませんでした。

蒲原元大使とテオナさん

2.日本語を学び始めたきっかけは何でしたか?

私は子どもの頃から日本文化がとても好きで、たくさんの本や情報を持っていました。しかし、日本語を学ぶ決定的な理由は今もはっきり覚えています。母が芥川龍之介の短編小説集を私に渡してくれたのです。それはロシア語訳で二巻本でした。後に知ったのですが、その本は祖父の蔵書から父が自分の書棚に移したものでした。その作品を読んでいるとき、「日本語では、この短いながら非常に深い内容を持つ作品が、きっと異なる言語構造で書かれているに違いない」という思いが頭から離れませんでした。そのとき、私は「原語で読みたい」と強く思うようになりました。このこだわりがきっかけとなり、まずは独学で教材を使って学び始め、その後、トビリシ国立大学のジャーナリズム学部の学生でありながら、同大学東洋学部にも入学しました。

3.日本語を使って仕事をしようと考えているジョージアの人々に、どのような助言やメッセージを伝えたいですか?

とても良い質問です。まず皆さんに理解してほしいのは、日本語はその知識が良い仕事につながるだけの単なる外国語ではないということです。日本語を学ぶ以上、日本を理解し、日本人の価値観を共有し、日本を好きにならずにはいられません。ですから、日本語を学び始める人は同時に日本そのものを知る必要があると思います。こうした考えから、私は日本語学習者のために講義コースを作りました。そのコースは日本の文化、歴史、文学、社会を紹介するだけでなく、日本という国を、伝統や習慣、特徴的な側面、そして文化的ショックを含めて発見させるものです。

4.ご自宅には日本とジョージアに関する多くの本があるそうですが、なぜそのような文献を集め始めたのですか?そして、その中で最もお気に入りの本はありますか?

はい、その通りです。大きな規模ではないですが、日本に関する最も多様で豊かな蔵書が置いてあります。私自身が一から集め始めたわけではありません。その大部分は父の蔵書から来たものです。日本に関心を持つようになってから、家族の蔵書が私の個人の蔵書へと移り、日々充実していきました。数多くの興味深い本の中から一冊を選ぶのは難しいですが、特別な意味を持つ本もあります。例えば、1905年にトビリシで出版されたニコ・ニコラゼの『日本』、エベレストを初めて登頂した女性登山家・田部井淳子のサイン入りの本、その他多くの希少な出版物です。しかし、最も誇りに思うのは父パアタ・ナツヴィシヴィリの『本物の折り鶴』です。この本は日本外務省のプロジェクトのものであり、父が著名なジャーナリストとして日本に派遣され、記事を執筆したものです。心から思うのは、この本がジョージアと日本の友情を築く上で最も重要な礎の一つだということです。また、両国を互いに紹介する本も特に好きです。例えば、ジョージア文学の古典の日本語訳や、日本文学のジョージア語訳です。この偉大な仕事に携わった翻訳者の皆さんには、両国の関係を深めるためのかけがえのない努力に心から感謝しています。

5.テオナさんの考えでは、ジョージアと日本がさらに緊密につながるために必要なことは何でしょうか?そして、今後のご計画は?

私の経験から言えば、最も重要なのは「タイミングを活かすこと」だと思います。正しい時に正しく情報を受け取り、共有し、それが行動につながることが大切です。両国の大使館が担っている活動は、今後も続けられ、分野ごとの交流の中でさらに強化されるべきです。人と人との関係も、物事を成功に導く上で非常に重要な役割を果たします。しかし、すでに述べたように、両国の文化的・社会的慣習を考慮しなければ、こうした取り組みは十分な成果を生みません。異文化交流の深化は、両国間のビジネス関係の強化にもつながるでしょう。将来の計画についてですが、私は現在、幼い子どもの母であり、大使館ではもう働いていません。しかし、日本の研究やその文化の普及を今もなお自分の主要な活動と考えています。現在取り組んでいる博士論文のテーマも、ジョージア演劇映画大学において、日本とジョージアの関係に関するものです。

 「さくら」の出版社マナナ・カルトジさん、そして生まれたばかりのニコ君と一緒に本の出版記念イベントにて。